12| 白河市歴史民俗資料館では、「松平定信と庭園」や「丹羽長重(にわながしげ)と小峰城」など歴史・古美術系の展示を中心に特別企画展を行ってきましたが、昭和54年(1979)の開館特別企画展は、「関根正二展」でした。 以後、当館は、美術館的な要素を併せ持つ歴史民俗資料館として、美術史上見逃すことのできない白河ゆかりの近代絵画作品の企画展も開催しています。そのような活動の中で、多くの近代絵画が収蔵されています。その一部をご紹介しましょう。 関根正二(しょうじ)(明治32〜大正8) 関根正二は、白河に生まれた日本を代表する大正期の洋画家です。鮮やかな赤や青などを用い、精神世界を幻想的に表現しました。当館には、関根が描いたデッサン「老夫婦像」一対があります。 長谷部英一(えいいち)(明治28〜昭和2) 長谷部英一は東京出身の大正期の洋画家ですが、親や縁戚(せき)の多い白河で作画活動を行いました。天才洋画家・中村彝(つね)に傾倒して、セザンヌやルノアールを意識した作風を展開しました。長谷部の描いた作品は「父の肖像」「甲子渓谷」など油彩画4点、デッサン画およそ100点が収蔵されています。 斎藤正夫(明治45〜平成12) 白河を故郷と慕い、かつて盛んだった白河馬市をヒントに、「馬を描いたら日本一の画家」と評された昭和期の洋画家です。躍動感あふれる馬など独自の作風を展開し、国内外で活動しました。今年1月には、千点以上の作品が本市に寄贈されました。 福田利秋(明治44〜平成12) 白河で生まれ育ち、教員をしながら国内外に向け活動した昭和期の版画家です。版画の特性を生かした簡略化した太い線画で、武骨なまでの力強さ・素朴さを表現しました。当館には、約120点の作品が収蔵されています。 今井珠泉(しゅせん)(昭和5〜) 白河で生まれ育ち、現在も日本美術院(院展)の同人として活躍する日本画家です。柔らかい筆致で繊細に情景を表現しています。当館には、約70点の作品が収蔵されています。 これらの作品は、作品の保護上、常設展示はしていませんが、企画展示室で年に数回の展示を行っています。白河の近代の芸術文化も、ほかにはない華々しい歴史があります。ぜひ、ご覧ください。 |
| 「老夫婦像」関根正二作 大正6年(1917) 内面を描くといわれる通り、 無難な肖像を避けた険しい表情が描かれ、 デッサンながらリアルに表現されています。 |
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![]() 「父の肖像」長谷部英一作 大正14年(1925) 英一の父、鉄之助の遺影として描かれたものです。血色のよい立体的な顔から、画技の確かさを感じさせます。 |
![]() 「独立する生命」斎藤正夫作 昭和31年(1956) 今にも飛び出さんばかりの躍動感あふれる馬が、独自の色彩感覚により、さらに激しさを増して表現されています。 |
![]() 「執金剛神(しつこんごうじん)」福田利秋作 昭和46年(1971) 版画の力強さを十分に生かした作品。迫力のある金剛神が表現されています。 |
![]() 「鹿苑(ろくえん)」今井珠泉 昭和62年(1977) 群がる鹿が月明かりに美しく照らされた様子が描かれています。 |
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