このシリーズでは、平成11年5月22日より6月20日まで開催した
特別展「白河を駆け抜けた作家たち」で展示した作品を紹介しています。

関根正二『姉 弟』
姉 弟
大正7年(1918)
油彩・キャンバス
80.5センチ×60.5センチ
福島県立美術館蔵
−関根正二−
 ヴァーミリオンという鮮やかな赤を用い、我々の目
にとても強い印象を与える作品を世に残した天才洋画
家関根正二は、ちょうど100年前の明治32年(1899)
に白河の搦目に生まれました。東京深川に転居する9
歳まで当地で過ごしており、田園風景や夕焼けの描写
など関根の作品には、郷里白河を感じさせるものが数
多くあります。
 大正7年(1918)19歳のときに描いた『姉弟』もそ
の一つといえます。少女とその背中に背負われた幼児
は、姉と関根自身であり、背景に描かれているのはひ
まわりの咲く阿武隈川河畔といわれています。この絵
は、幼児のつぶらな瞳の愛らしい表情とうつむき加減
の姉の表情が対照的で、また赤や青、黄色などの鮮や
かな配色を用いながらも、幻想的な印象を与える関根
の特徴がよく出た作品であるといえます。この年の二
科展に『信仰の悲しみ』(大原美術館蔵)、『自画像』と
ともにこの絵を出品し、有望な新人に与えられる樗牛賞
を受賞し、将来を期待されましたが、患っていた肺
結核を悪化させ、翌年わずか20歳という短い人生を閉
じています。


       〜歴史民俗資料館学芸員  加藤 純子〜

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